読みもの

雄鶏の茶碗が教えてくれる、古い器と暮らすたのしみ。ライティウ焼

赤や緑で雄鶏とバナナの葉を描いた、南部の古い茶碗。ライティウ焼の歩みと、ホーチミンでヴィンテージの器を選ぶときに知っておきたいことをまとめました。

どこで生まれた?

ライティウは、ホーチミン中心部の北、旧ビンズオン省(2025年からホーチミン市)にある焼きものの町です。ビンズオンの窯場の中心として、かつては南部一帯に器を送り出していたといわれます。南部の焼きものがいちばん栄えたのは19世紀の半ばから20世紀の半ばにかけて。ライティウでは、白地に藍で描いた急須や碗、皿など、暮らしの器がたくさん焼かれました。

なかでも親しまれたのが「ライティウの雄鶏の碗」と呼ばれる器です。少し黄みがかった白の生地に、赤紫・緑・黒などの色で、雄鶏やバナナの木、菊の花をのびのびと描いたもので、南部の家々の食卓でふだん使いされてきました。今も町には、80年から100年を超えるといわれる古い窯がいくつか残っています。2025年11月には、旧ビンズオン省の博物館で南部の焼きもの約300点を並べる常設展も始まりました。

見分け方・選び方

ヴィンテージの器は、同じ柄でも一枚ごとに絵の勢いや色の出方が違い、その個性こそが魅力です。値札だけでは年代や産地がわからないことも多いので、店の人に「いつごろ、どこの器か」を聞いてみましょう。話を聞くうちに、器の背景が見えてきます。小さな欠けや釉薬のはげは、使われてきた時間のしるしとして楽しむ人もいますが、食器として使うなら、口をつける縁にひびや欠けがないものを選ぶのが安心です。

旅先での買い方・持ち帰り方

注意したいのは、とても古い器です。ベトナムの文化遺産法(Luật Di sản văn hóa 45/2024/QH15)では、100年以上前の品を「古物(cổ vật)」として扱い、国外への持ち出しが制限されています。旅行者がおみやげとして持ち帰る場合の扱いは法令上明確ではありませんが、年代が古そうな品は購入時に年代を確かめ、はっきりしないものは避けておくのが安心です。持ち帰りは、一枚ずつ紙で包み、衣類に挟んでスーツケースの中央へ入れましょう。

この物語の品に出会える店

ほかの読みもの